「ふう、食べた食べた~」

教室に戻ると、あたしの席の後ろで、

窓際に座ってぼんやりしている羽鳥が視界に入った。


こうやって見ると羽鳥ってカッコいいかもな。

バス王の

くろせっちの親友の水神に似てるじゃん。


あ、こっち向いた。


あたしに気がついたのかニッコリと笑って

立ち上がってこっちに来る。


わわっ


「食ったか?」


「え?」


「食ったんだな?」



「あ、うん。ごちそうさまでした。」


「これから1週間分の俺の昼飯だ、

 心して食えよな」


そう言うと、あたしの肩をポンと叩いて

横を通り抜けて行ってしまった。


なんなのだ?


あたしがもらった食券はあいつの昼食なのか。


そうなの?ならあいつは昼抜き?


なんでそんなものあたしにくれるんだろ?