「な、なんか用?」

せっかくの妄想タイムを邪魔されてムカついて、

じろりと睨んで、無愛想に返事をした。


「お前さ、これいらね?」


羽鳥君の手に握られていたのは、

七枚綴りの食券。


「ほ、欲しい!!くれんの!」


「うん。まあな。」


「なんで!超嬉しいけどさっ」


「ちょっと頼みを聞いてくれたら、やってもいい。」

はっきり言って、空腹で死にそうだったから、

今後11日続くなんて耐えられないと思ってたところだ

もう渡りに船、地獄に神、砂漠のオアシス、豚に真珠?あれ??

とにかくそんな感じ。


「うんうん、あたしの出来ることならやるよ。」


「よし交渉成立だな。」


食券一枚350円7枚として2450円


そんな高価なものをくれるというのかこやつは

凄いいいヤツ~♥

「サンキューはとりん♥」

食券を手に入れると、そのまま食堂へ走った。


この時あたしは

今後1週間分の食券をゲットしたんだってことに有頂天だった。

聞くのを忘れた交換条件のことはすっかり忘れて…