音羽と沢木の教室に行くと、音羽はクラスの女子達と話をして盛り上がっていた。


沢木は……と。


教室中を見回しても沢木の姿は見えない。


いないのか……?


仕方なく、教室の中にいたよく見知った人物の元へ行く。


「空」


声をかけると、奴はすぐに振り返って俺を見た。


「海斗。何か用か?」

「あぁ……まぁ、ちょっと」


そう言いながらまた教室を見回してみる。

だけど、やっぱりアイツの姿はない。


「沢木は?」

「沢木?
……さぁ……。
最近、休み時間になるとすぐ出ていっちゃうから」


いつも音羽と一緒にいるのに……。

……やっぱりケンカ?

いや、でも……