-数ヵ月後-



華やかなドレスを身にまとい。

色んな男の人にお酒を注いだり、煙草の火をつけたり。



私は今このキャバクラでNo.2に成り上がった。


夏の初めにこのお店に入り、たった一カ月で登りつめたのだ。


大きな怪我をして退院してから傷はあっという間に治った。

一か月もたたないうちに。



だから私は思い切って行動に移すことにしたのだ。


・・・悪の心があるうちに。





「ねぇ~アンナちゃん。そのおっぱい触らせてよ」


「このお店はおさわり禁止なのっ♪」


「いいじゃーん!うっわぁ、いいねぇ。その太もも。そそるよ」


「ちょ、お客様っ!?」



中年で小太りの男性が最近よく私を指名してくれる。

今目の前にいるこの人がそうだ。



常連になってくれたのはいいんだけど、おさわりを強要してくる。


艶めかしく私の太ももを撫でまわす。


「色っぽいね」


「お、お客様・・・」



私が困っていたその時。

彼はやってきた。




「お客様、ご退場願えますか?」



コップの中のお酒が勢いよく宙を舞う。

そして零れたお酒はそのお客さんの服に飛び散った。