*
「杏ちゃん」
お母さんなの・・・?
「杏奈」
お父さんだよね・・・?
「前田ちゃん!!」
あかね・・・先輩・・・!?
なんだか暗い場所。
ここは一体どこなんだろう。
三人の姿だけが光輝いて見える。
私は声を出そうと試みたものの、出す事ができない。
伝えたい事たくさんあるのに。
もしもこれが夢だとしても、たくさん話をしたいのに。
「ほら、早く目を覚ましなさい」
「杏奈を待ってる人がいるんだから」
「前田ちゃん・・・早く!」
三人の声に導かれ、私はどんどんと明るい方へと歩いて行く。
私はいつの間にか三人を通り過ぎていた。
何度も後ろを振り返る。
だけどそこにあるのはただの闇だった。
*

