斗真君は半年前の夏よりも少しだけ顔つきが大人っぽくなっていた。


「どうして、ここが」


「警察をなめないでください!笑」


少しおちゃめに笑うその姿はやっぱり斗真君だ。


「俺、あの日からずっと杏奈さんの事探してました」


「・・・」


「きっと、杏奈さんの事だからこういうお店で働くんじゃないかって。だから毎晩こういうお店に通いました」


「通ったんだ」


「あ!いや!シてません!!」


「別にシてもシてなくても私は・・・」


「杏奈さんの情報がほしくて、お店の女の子に聞きこみしたって感じです」


「どうして私なんか・・・ただの被害者の一人だったのに」


「俺には特別に見えちゃったんっすよ」


「警察がそんなことでいいの?」


「これは警察がどうとか関係なくて、男としての俺なんで」



すっと真っ直ぐ私を見つめる瞳。

私は受け止められず目を逸らした。



「どんな過去が杏奈さんにあったかは分かりません。でも、俺が貴女を守ります」


「・・・私を?」


「はい」


「守るって、何から?」


「色んなものからです」


「冗談はよして」


「冗談じゃないって思ってくれるまで何度も言います」


「だから・・・」


「俺が貴女を守ります」