「教えて。誰が貴方達を操っていたの」


「何言ってるんだよ」


彼は寝ていた体を起こして私を見つめてきた。


「愛ちゃんの両親を殺したのは貴方達でしょう。貴方達にこの計画を出した人は誰って聞いてるの」


「あ、杏奈・・・ちゃん?」


きっと今の私の顔は鬼と言われてもしょうがないほどだろう。


両親の変わり果てた姿を思い出し、私の目からは涙が流れ始めた。


「私の名前は前田杏奈。貴方達に両親を殺された一人娘よ!!!」


「う、嘘だろ」


「貴方達に復讐するために自分の身を売った。貴方の言っているこーちゃんも今は海の中」


「殺したのか・・・!?」


「貴方達だって同じ事したでしょう!?私の大切な人を・・・!!どうして、どうして私の両親だったのよ!別に他の人でも良かったじゃない!どうして私のお母さんとお父さんだったの!!」


「よく見たら・・・な、なんだよその格好。それに手に持っているものはなんだ!捨てろ!!落ち着け。落ち着いて話そう。それがいい、な?」




私は冷静さを失っていた。


果物ナイフを握る手が震えだす。


「早く言いなさいよ!」


私はベッドにいた誠さんに思い切りナイフを振り下ろした。


間一髪のところで彼はそれを避ける。



「あ、危ないだろ!?お願いだから落ち着いて話を・・・」


「どうやったら落ち着けるって言うのよ」


「言う!言うから!!」


「・・・最初からそうすれば良かったのに」


「俺達に声をかけてくれたのはタクミっていう名前だった」


「タクミ?」