怒鳴ったりしないはずの誠さんが大声で私の話を遮った。


息は荒く、両手を膝の上に乗せ震わせている。



「誠さん?」


「・・・誰だ」


「え?」


「誰にその話聞いたんだ」


「誰って」


「聞いたんだろ、じゃなきゃそんな話知らないはずだ!」


「落ち着いて誠さん」


「どうしてこの話を今したんだ?何故?今は結婚の段取りのはずだろう?」


「誠さんっ」


「・・・!す、すまない」


「これは別に本当の話とかじゃないのに、一体どうしたの?」


「そ、そうだよな」





一人目と同じ反応だ。

本当に彼らが私の両親を殺したのか、さすがに復讐する前に確認しなければいけないから。



間違ってしまった。
そんな事では済まれない。




「誠さん、大丈夫」


「・・・ああ」


私は誠さんを抱きしめた。

体中が震えている。



「ぼ、僕は・・・悪くないんだ」



彼はぼそっと呟いた。

その瞬間、私の彼への情は消え去った。