-数週間後-



目の前で粉砕する赤い液体の瓶。

あっという間にその液体は辺りに広がった。



「す、すみません!私が拾うので・・・」


「いや僕がやるよ。ガラスが割れて危ないし・・・。君の手が切れたら大変だろう?」


「でも!」


「そんな顔しないで。笑っている君の方がきっと綺麗だよ」


「ふふっお上手なんですね。あの、お名前は?」


「僕?僕は岡田誠って言うんだ。はい名刺」


「わぁ!よくテレビで紹介されているお店の社長さんだったんですか!?」


「そんなに大したものじゃないけどね」


「大した事大ありですよ!すごいです・・・!そんな方の大事なワインを割ってしまってすいません。本当に・・・!」


「いいんだよ。安いワインだし。前を見てなかった僕も悪い」


「いえっ、私が悪いんです!よそ見して歩いてたので」


「・・・じゃあ僕とお食事にでも行きませんか?それで帳消しにしましょう」


「お、お食事!?」


「初対面だし、やっぱり嫌かな?」


「お断りする権利は私にはないので・・・むしろ嬉しいです!お願いします!」


「今から時間あるかな?これ片づけたらさっそく行かない?」


「はいっ!」