三人目の復讐が終わり、私は一息ついた。


あの半年間ずっと斗真君と連絡をとっていない。




いや、私が連絡を返さなかったとでも言えばいいのだろうか。


返す暇がなかったと言えばウソになるし。





それに今斗真君の近くには私の憎むべき最後の復讐する相手がいる。



それは吉崎匠。
斗真君の先輩刑事だ。




三人目の復讐したあの人に聞いたのは衝撃的だったけど、今では納得ができる。



だって私が入院していた時のあの言動、質問。


あれはきっと私を探っていたんだ。


だから最後の復讐はすごく時間がかかりそう。





しかも警察が相手。

私が悪で、吉崎さんも悪で。

だったらどっちが正義なんだろうか。




「・・・あ」


私が一人ふらふらと街中を歩いていると、仲もつまじく一緒に歩く斗真君とその彼女の姿が見えた。


こっちには気づいていないようだ。




斗真君も楽しそうに笑っている。


「・・・大丈夫、そうじゃない」




一瞬は奪われかけた心。

斗真君への気持ちをこれでセーブする事ができる。