大事な家族だから…


私がなんとかしなきゃと思った。


だから私はあの夜…


お母さんを助けた…





12月6日午前0時52分…



肌に刺さるような寒さの日に…



ガチャン!


また音がした。


きっとリビングだ…


私は静かに…


お母さん達にバレないように…


一階へ降りて行った…





「やめてっ!お父さんっ!」


私はリビングのドアを開け、叫んだ。




そこで見た光景…



それは…



それは…



お父さんがお母さんを殴ろうとしているところ…



お母さんは小さくなって泣いていた…



「なんだよ?お前…、来るんじゃねぇよ!」



お父さんは私に殴ろうとしてきた。



危ないっ!



そう思ったとき…


私は無意識にお父さんの手を掴んでいた。



前から習っていた空手のお陰だ…



私は改めて空手のありがたみを知った。


でも、習わせてくれたのはお母さん…



きっと、自分のように弱い女になってほしくないと思って私を習わせてくれたのだろう…