「香奈…あのね…」


私は電話ごしで聞こえて来る香奈の幸せそうな声に私は言おうか、迷った。


「どうしたの?」


…どうしよう…


でも、言わなきゃいけないよね。


でも…


でも…



言うことって大切なことかな。


何かが起こる前に助けてあげることが大切なんじゃないかな…


私はやっぱり、言わないことにした。


もし、これから何が起こるかわからないけど、そのときは私が助けるから。


だからこの事は言わない。

「おぉい?美希ぃ?」


「んっ。なんでも、ないよ!で、草苅先輩とはどうなったの?」


「ウフッ♪初エッチしちゃった♪」



「そうなの?大人になったんだね♪」


「うん♪」


言えないよ…


こんな嬉しそうに言われたら…


でも、早くない?


まだ付き合って2日だよ!?

「香奈…」


「ん?なぁに?」


「なんかあったらいつでも電話してね?」


「当たり前じゃん!」




大切な宝物をなくしたくないよ。


私の宝物は2つだから…


1つじゃないけど


香奈と先輩は宝物にして当たり前の存在なんだよ。


私はこの2つは失いたくない。