私は彩花を誘った。
「今回、祐美さんに憑かれて、彩花でなくなる時間があって、凄く不安だった。このまま、彩花じゃなくなったらどうしよう? そう思ったけど、良かった」
「どうしたの、急に? 私、何回か意識がなくなって、何があったのか覚えてないよ。でも、側にいてくれたから、嬉しかったよ」
 彩花は、私に抱き付いてきた。
「くっつくの好きだね。でも、許すよ」
 彩花の背中を抱いた。
「私はもう大丈夫。ただ…、本当にあの子は成仏出来るのかなって思ってるの」
 私を見て彩花はゆっくりと話す。
「きっと、出来るわよ」
 私は微笑んだ。
「それなら良いんだ。それにしても、凄い疲れたよ。少し眠るね」
 彩花は意識を失ったように、後ろに倒れてそのまま寝てしまった。
 幸い、クッションの上で、頭を打つ事はなくて安心した。
 規則正しく寝息をたてている。
 私は風邪引かないように、肌掛けを掛けてあげた。
 小さく伸びをしたが起きる気配はない。
(寝顔は、変わらないね)
 小さい頃から知ってる寝顔だ。
 頬を撫でると、にこっと口元が、笑った。
 まだ起きる気配はないので、私は御手洗にメールをする。
―浄霊クラブだけど、まだ続ける?―
―どうしたの? 安東さんが、関係してるとか?―
 すぐさま、御手洗から返信が来た。
 メールの着信音で、彩花が目を覚ましたようだ。
「私、寝てたね。ごめんね」
「謝らなくて良いのに。もしかして、起こした? ごめんね」