きょうもこたえはおしえません


「けどお前、いまだに俺のこと喰らえてないだろ。だったら立場は対等だ。下僕なんて名ばかりだね」


「……チッ、ほんとは今すぐ喰らいてえよ。けどそれも出来ねえ。契約を結んだ悪魔は、相手の人間に許可を貰うまで心臓が喰らえねえんだからよう。

バァルゥ~、いい加減テメェの心臓俺様に喰わせろよ、なあ? 俺はテメェの心臓欲しさに契約してやったんだ。

ほんとにうめぇ心臓ってのは、テメェみたいな極上の、稀少価値な心臓は、契約でもしねえとすーぐガミ共に回収されちまうからなあ」


上唇をぺろっと舐め、徐々に【バル】と呼ばれた男に顔を近づける悪魔。


「やめとけ。俺が許可しないと喰らえないんだから今喰おうとしても無駄ムダ。ほら、さっさと喫茶店に戻るぞ」


そう言い踵を返して目的地へと向かおうとするバルに、悪魔は解せないとばかりに無理矢理バルの腕を引っ張る。

「味見くれえ、いいだろうよう」

背後からバルの体を腕で拘束し、その首筋に顔を埋(うず)める悪魔。