「香澄!」


部屋でぼーっとしていると、お兄ちゃんがあたしの部屋の扉を開けた。

今日は最後の冬休み。
明日から学校だ。


「猛が来てんぞ」
「え……?」


最後の休みに現れたのは、猛にぃだった。



颯太とはあれから一度も連絡をとってない。

何度も自分から電話をかけてみようと思ったけど、ディスプレイを見つめては携帯を握った手を落とす。