意識してしまっているせいか、あたしからの会話はほとんどない。 葵ちゃんからの一方的な会話だった。 20分ほど並び、ようやく自分たちの番。 賽銭箱の人波をかき分けて、あたしたちは前に出た。 「何をお願いするんですか?」 「秘密」 隣で聞いてくる颯太に、もちろん秘密と答える。 去年の初詣…… あたしは三浦先生のことを願った。 だけど今年は違う。 そして来年からもずっと一緒。