「じゃぁ、なんの心配もないじゃない」


「えぇ、そうなのですが…」

珍しく語尾を濁す蓮に、美々は眉をひそめた。



「いったい、なんなの。はっきりと言いなさい」



少し高圧的に言うと、蓮は



「“界隈”に、妖が次々入っているらしいのです」




と言った。







「なぜ?あんな弱小チームに入ろうとする妖なんかいないと思っていたのだけれど」
「それが、…妖の家族などを人質に捕って、脅しているらしいのです」
それを聞いた美々の眉がくっとひそまった。
「理由は…、あぁ、私たちと同等に戦えるように、でしょうね」
「えぇ、おそらくは」