もしも腹黒美少女とクール?美男子が出会ったら。

「猛吹雪!」
「狐火」



ブワァァァアッ



雪と炎が衝突し、蒸発する。辺り一帯が霧で見えなくなる。





動いたのは



奈々。




走る。走る。走る。
音を立てずに。
右手には、刀を象った結晶。奈々は、霧が出るまで美々がいた所に結晶を投げつける。




キィィィンッ!




「弱いわ。弱すぎだわ。」
結晶を弾かれた音とともに、サァッと霧も消えていく。奈々は焦りながらも冷静なふりをする。
「これでも雪女の里のなかでは一番強いのだけれど」



「そう。じゃあ、“本気”というものを見せてあげる…………火炎」




ゴォォォォォッ




美々が呟くと同時に、辺り一面が火の海になる。

奈々は大粒の汗をかきながら、打開策を考える。


どうする。どうすればいい?