*** 「汐(しお)、着いたよ」 耳元から聞きなれた声がして、わたしは目を覚ました。 「早くして。やることはいっぱいあるんだから」 「うーん」 わたしを起こしたお母さんは、隣で荷物をせわしなくまとめていた。 仕方なく、わたしも自分の荷物をまとめ始めた。 「あー、気持ちよかった」 「汐が船で寝るなんて珍しいわね」 「昨日の夜は日付変わるまで課題してたの」 「へぇ。終わった?」 「まだ半分も終わってない」