「やっぱ、そうなる?」

「やっぱ、そうなるな」

「……まあ、たまにはね」

「そう、たまにはな」

すると、奴は重い腰を上げ。

「オレんちに来るなら、オレんちのルールに従えよ?」

「なんだよ、ルールって」

「まあ、オレんちに来てから発表するわ」

「なんだよ、もったいぶるなよ」

すると今度は奴がにたりと笑う。

「気持ちわりぃな。変なルールじゃねぇだろうな」

「多分ね」

奴は、カラカラと笑いながら外に出ると、隣室の玄関を開けた。

「どうぞ」

密閉されたその部屋は、たまらなく蒸し暑い。

「エアコンつけてくれ、暑すぎる」

「だから、オレんちに来たらオレんちのルールに従えって言ったじゃん」

「はあ?」



まさかこいつ。

何が何でもエアコンつけないつもりじゃねぇだろうな。



と思ったのもつかの間。

奴は俺の頭をすばやく抱え込み、唇を重ね、舌を絡ませてきた。






……やべ。

とろけてしまう……。






「ここはオレの領域だからな。オレの欲望に従えよ」

少しドスの利いた声に、逆らう余地などなかった。



熱いキスを何度も繰り返し。



押し倒され。



乱暴に服をはぎとられていく。



息が上がる。



嫌でも汗がにじむ。






……もう。

エアコンのリモコンを探す余裕など、俺にはまったくなかった。




fin