君の身体は銀の刃をあっけなく呑み込んでゆく 君の悲鳴は娼婦の喘ぐ声のようで その嬌声を聞くために 僕は君の赤で染まったナイフを振りかざす いつしか声を上げなくなった彼女を見て これで君を支配したという満足感を味わいながら 僕は君の後を追った どこまでも甘い香りのする紅を流す君のそばで 最後に聞いた音は 終わりを告げる贖罪(しょくざい)の鐘の音だった