魁のバイクが闇の中へ消えた後─── 「なぁ……葵…」 未だ、信じ難い光景を目の当たりにした蓮。 「何だ?」 「あの話、マジだったのか……」 視線を蓮に移した葵が返事をすれば、小さく呟くように言葉を発した。 それに応えるように微笑む葵だったが…… 「それでもあそこは、あの子の指定席じゃないんだけどね……」 溜め息を一つ吐いてエンジンを掛けると 「───俺達も行くぞ」 メンバーに告げて走り出す。 葵に続いて次々と走り始めたバイクは、神威の旗を靡かせながら夜の街を流れて行く───