「大人しくしてろよ」 龍さんがそういうと、黒ずくめの人は 身を竦ませる。 龍さんの瞳はとても真剣で 僅かながら、殺気すら込められて いるように見えた。 その眼差しは、しっかりと 黒ずくめの人を射すくめた ようだった。 私はほっとして、体から力を 抜く。 すると、今まで難なく掴めていた 靴べらが、手をすり抜けて 床に落ちた。 そういえば...こんなに長く 物を持ってたことなんて、初めて かもしれない。 そのせいか、ものすごい疲労が 体を襲ってくる。