すると、はっと我に返ったように 黒ずくめの人が焦りだす。 その視線は、龍さんに向けられていた。 ちらっと龍さんを見ると 少し前、沖田総司さんのことが 書いてあるのを見せてくれた ものを耳に当てて、なにやら 話しているのが見えた。 すぐに、黒ずくめの人に視線を戻すと またも刃物を振り上げていた。 しかも、今度の狙いは私の持って いる靴べらだった。 普通、こんなのを目の当たりにしたら 腰を抜かしてしまうんだろうに… この人は、度胸が据わっているのか 焦りすぎて周りが見えないのか…