私が指をさすと、龍さんは 口をつぐんで私の指をたどる。 最初は魚かなにかかと思っていたけれど 黒い物が浮いたり沈んだりしているのを 見て、それは子供の頭だと分かった。 龍さんもわかったのか、隣で息をのむ。 「た…助けなきゃ!!」 私は走って川べりに向かって土手を降りる。 けど…川に入る勇気が どうにもわかない。 入ったところで、私じゃ助けられない… そんなことを考えているうちに どんどん子供は沈んでいく。