「記憶、絶対に消すな」
そう、強い口調で言う。
「え…えっと…」
と、晴は口ごもる。
「晴と過ごした記憶がなくなったら、俺はなんでこんな風に人を気遣えるようになったのかわからない。母さんの気持ちを知れたのも、真堂と喋るようになったのも、柊羽と前よりもっと仲良くなれたのも…」
そこで、深く息を吸い込む。
「初恋の相手すら、わからなくなる」
「初恋…?」
晴が不思議そうに聞き返す。
「俺はお前のことが…晴のことが好きだ」
そういうと、晴の顔に驚きの色が
広がる。
「で…でも、私、幽霊ですよ…?」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…