俺はため息をつきながら


少し前を歩く晴を見た。




晴はまだ何か考え込んでいて、自分の事を


話されていたなんて、全く気づいてない


みたいだ。





「って...!」


晴は周りの景色も目に入っていないようで


いつも曲がるところを直進しようとする。




「晴!」


「えっ!?は、はいっ」


晴は、自分を呼ばれたのに気づいて


ばっと振り返った。




「家、そっちじゃないだろ」


と言うと、晴はきょろきょろと辺りを


見渡して



「す...すいませんっ!」



と、慌てて戻ってきた。