「あっ!!」


私は大声を出してしまってから


口を塞いだ。



けど、遅かった...


龍さんは驚いて不機嫌そうな顔で


こっちを見てくるし、柊羽さんは驚いて


肘をずるっと滑らせていた。



「す...すみません...」


私は小声謝った。


「なんだよ」


「い...いえ、特に意味があった訳じゃなくて...」


そう答えた時には、また頭が考え事に


戻っていた。



声を上げた原因は、局長さんの名前を


思い出した、ということだった。



総司さんが近藤さん、と言っていたあの人は


新選組の局長、近藤勇だ。



頭に流れ込んだ記憶の量が多すぎて


よく思い出そうとしないと、人の名前なんて


全く出てこない。




今、名前を覚えているのは


たった今思い出した、



局長、近藤勇


それと、一番組組長 、沖田総司



あと、もう一人...