その部屋にいたのは...
とても、いかつい感じの男の人と...
生きていた頃の、私だった。
「頼む」
そう男の人が、私に向かって頭を下げた。
今入ってきたから、話が全くわからない。
「きょ...局長さん、頭を上げてください」
局長...?
私は必死に局長と呼ばれた人に言う。
「私は、できる限りのことをします。医者は、病気を治すためにいるんです。総司さんを死なせたりしません」
私の声に、強い決意が滲む。
「瑠璃川くんならそう言ってくれると思っていた。...総司を、よろしく頼む」
局長さんが、少しほっとしたように言う。
「もちろんです」
私は、きっぱりとした口調で言い切った。
「あいつは、俺と、試衛館の誇りだ」
局長さんは、いかつい顔を緩めて笑う。
人の良さそうな、優しそうな笑顔だった。


