「そこまでは、よかったんだ」
柊羽は悲しそうに俯く。
私は、なにも声をかけてあげられなくて
ただ、少しだけ身を寄せた。
柊羽さんは顔をあげて、息を吸い込んでから
「その後、病院で目が覚めた俺のそばには、彼女がいてくれた。すごい嬉しかったのを覚えてるよ」
と、続ける。
「でも、異変に気づいたんだ。それを見た瞬間、俺はやっぱり死んでるんじゃないかって思ったよ」
柊羽さんが言う、それ、っていうのは...
「幽霊が見えたんだ。その時は、今よりももっとはっきりと。それまでは、幽霊って信じてなかったし、もちろん見たこともなかった」


