「で」
と、柊羽さんは自傷のような笑みを浮かべて。
「この有様」
柊羽さんは、服の裾を捲くりあげて
足を見せた。
「っ...!?」
柊羽さんの足には、深い傷が刻まれていて
もう傷は塞がって完治している様だけど
跡はもう消えそうになかった。
「子供を抱えあげて、ホームに上げた時に電車が来ちゃって。子供は、無事だったんだけどね」
そう話す言葉の一つ一つが他人事のように
あっさりとしていて、私は驚いた。
「ホントは、電車になんかにひかれたら死ぬほうが多いのに。死ななくても、後遺症とかは残りそうなもんなのに、俺にはなにも残らなかった。その時点でおかしいんだよな」
「でも...」
私は、柊羽さんが話始めてから
初めて口を開いた。
「見ず知らずの子供を、命懸けで助けたんですよね?すごいと思いますっ」
そういうと、柊羽はぎこちなく笑って
「ありがと」
と、一言だけ言った。


