俺を見上げながら首を傾げる晴。


「思い出したのは、それだけか?」


「...はい」


少し、しゅんとした様子で晴は


肩を落とす。




「記憶は、全部は戻ってません」



けど、だいぶ思い出してきたみたいだな。



その事を、良かった、と思う反面


晴との別れの時が近づいてきているようで


素直に喜んだりできなかった。