私だ...。


私は迷わずに彼に駆け寄る。



「総司さん、大丈夫ですか?」


体を支えようとした私を、彼は片手を


あげて制した。




「っ...!!」


このやりとり、覚えてる...!


というか、今、思い出した感じだ。




彼は、病気なんだ。


それも、不治の病と言われるほど


重い病気。




その時、また、頭の中に記憶が流れ込んできた。



この間もあった...この感じ。





だけど、この間みたいな苦痛はなくて。


脳裏をよぎる、記憶の数々を


目を閉じて感じていた。