イジワル上司のヒミツ

「今日も残業なんて、ついてねーな(笑)」






「か、課長!?」


いつの間にか、課長は私の隣のデスクに座って、仕事をしていた。

話し方は、課長からどちらかというと朝日湊になっている。




「残業にさせたのは、誰ですか(汗)」

「勘違いすんなよ。お前を残業させたのは、部長だからな?」

「え、ブチョー?」

「俺は、部長の命令に従ったんだ。あと『ちゃんと教育しろ』とも言われたぜ?お前、仕事できないだな(笑)」

「ほ、ほっといてくださいっ(汗)……ってゆうか、部長は湊さんの正体知らないんですね」


知ってたら、私のことを『教育しろ』なんて…湊さんには頼まないでしょ?




「知らないよ。このオフィス内では、お前以外の奴は知らないと思う。ごく一部の、もっと上の人間だけだよ」

「ふーん…」


じゃあ本当に、課長の秘密を知ってるのは私だけか。





「つーか、早くしろよ。俺腹減った…」





力ない声を出す課長。