イジワル上司のヒミツ

スーツのネクタイをしめて立ち上がる湊さんに、私は肩を叩かれた。




「来い…って?」

「俺の車に乗っけてってやる」

「え、車?」

「嫌ならいい。電車で行けよ」

「い、いえっ!是非お車に乗せてってくださいませっ」


ラッキー!

車だったら、余裕で間に合うよ♪





「行ってらっしゃい♪二人とも、気をつけてね」


マコトさんがそう言って、ニッコリと笑って手を振った。

私はマコトにお礼を言って、湊さんと一緒にマンションを出た。






「・・・・」

「………………」



エレベーターを待つ間…

私たちに、特に会話はない。



チラ…




隣にいる湊さんを見る。




確かに…

顔は課長だよね?



うん。

朝日湊ではないよ。