イジワル上司のヒミツ

「……キミの入れたコーヒーが一番マズイ」

「………(厶っ)」

「もっと練習しろ」

「……………はい」


私は課長に頭を下げたあと、すぐにオフィスから出て、給湯室に戻る。

そして給湯室の壁を、思いきり殴った。





なんなの、あいつ!!

いっつもいっつも、マジムカつく!



私はいつも、課長にコーヒーをいれるたび、今のように何かしら課長から嫌味を言われていた。

お茶くみが嫌いな理由は、課長のことも含まれていたのだ。





課長ってば、なんであんなに意地悪なの!?

しかも、私にだけ!

他の女の子には、あんまり嫌味なこと言わないよな…

っていうか、見たことないし……




なんで私だけなの?

どーせ、私は仕事できないですよー!



私の怒りはおさまらない。

気を落ち着かせようと、お茶くみに使ったものを、もとの場所に戻す私。



あー早く帰りたい。

今日は、妹の茉莉(まり)はバイトないって言ってたから…『大学終わったら、夕飯作って待ってる』なんて言ってたもんな。



違うことを考えていると、徐々に怒りがおさまってくる。

そしてあっという間に、12時。


私は同僚と、ランチへ出かけた。