イジワル上司のヒミツ

ピンポーン


すると、インターフォンが鳴る音が。




「ピザ屋さん来たんじゃないんですか?」

「悪いけど出て」

「は、はい」


インターフォンのカメラに映る映像を確認して、マイクに向かって『はい』と出ると、ピザ屋の宅配の人が返事をした。

私はボタンを押して、エントランスのドアを開ける。





「あともう一回インターフォンが鳴るから、同じボタンで解除して。そしたらここにたどり着く…」

「…はーい」


セキュリティって、こうなってるんだ。

芸能人だし…これだけ守られた家に住んでても、おかしくないよね。





「ん…金。これで払って」


湊さんから、スッと一万円札2枚を渡される。





「こんなにいらないですよ(汗)」

「あれ?いくら?」

「5千円くらいです」

「安。ヤバイ…金銭感覚、おかしくなってるな」


そう言って湊さんは、私に一万円札1枚を差し出し、もう1枚の一万円札を財布にしまっていた。




金銭感覚がズレるなんて…さすが売れっ子俳優!

住む世界が違うな〜


そしてピザ屋さんがやってきて、私がドアを開けてお金を払い、熱々のピザを持ってリビングにいる湊さんの元へ…





「お待たせしました」

「きたか」


ピザの箱を抱える私に、湊さんが近寄ってくる。