イジワル上司のヒミツ

私は棚からインスタントコーヒーとミルク、砂糖、日本茶の葉っぱ、紅茶を出した。


上司たちの好みは様々。

コーヒー派もいれば、日本茶じゃなきゃ嫌という人……あとは紅茶好きの人。

その好みも、一人ひとり把握して、お茶くみするんだよ。


覚えるまで、どれだけ時間を費やしたか…

先輩に、何度も教えてもらったなぁ…



私は涙をこられながら、数十個あるマグカップに、それぞれお茶を入れて、トレーに並べたあと、オフィスに戻った。





「お茶でーす」


端のディスクの上司から、順番にお茶を配る。



「ありがとう」


ひとつ上の先輩上司は、ニッコリと笑ってくれる。



この先輩は優しいんだけど、たまに仕事中に話しかけんなよ的な顔して睨む人とかいるから、あくまでもさりげなくしなきゃね。

私はそれを気を付けながらも、各上司たちにお茶を配る。




「ありがとう。この前は熱くて、舌火傷したから気を付けないとな(笑)」


マグカップをディスクに置いたあとに、日本茶が好みの上司に、以前の失敗をネタにされた。