イジワル上司のヒミツ

「仕事どうだったー?」


そう言って、車を発車させる湊さん。

湊さんはラフな格好に、サングラスをかけていた。




「…普通~お茶くみばっかしてた」

「お前のいれたコーヒーまずいのに?」

「ム(汗)高瀬さんは、美味しいって言ってくれたもん!」

「…高瀬?」


『誰?』って、顔をする湊さん。





「ほら、係長だった人だよ。湊さんがいなくなって、今は課長なの」

「……ふーん」


あれ?そっけない…




キキーーっ



「きゃっ!」



すると、湊さんは急ブレーキをかけて、車を止めた。




「どうしたの、急に!??」

「…傷付いたなー」

え。



棒読みでそう言って、シートベルトを取り、私に覆い被さってくる湊さん。





「ちょ、ちょっと!こんな道端で…」


車通り少ない道だけど、 もし車来たらやばいって!





「関係ねえよ、慰めろ」

「な、なんで!?」

「何でも」

「ちょ……!」


私の耳を噛んでくる、湊さん。