イジワル上司のヒミツ

プツ…

『ーー…留守番電話サービスに接続します……』




出ないか。


また撮影かな…



私は肩を落としながら、トイレから出て梓たちの元へ戻った。




ただ、

湊さんに会いたいよ・・





その日の帰り道。


私は駅前のケーキ屋さんでケーキを買い、ダラダラと夕暮れの道を歩いていた。


もう10月の半ばだからか、陽が早く落ちるようになり、まだ6時過ぎだがもう暗くなってきた。

なんだか空気や風もひんやりと冷たくて、少し寂しい感じがする…




そんことを感じながらも、考えるのはやっぱり湊さんのことだった。


好きだと開き直ってから、心が軽くなり、暗い気持ちにはならなくなっていた…


まだ連絡が来ていなくても…

落ち込んだりしない…



それよりも、早く湊さんに会いたい。