私と紗耶香は、不思議そうに顔を見合わせた。




「いや…なんかお金持ちだって、隠されてたのがちょっとショックだったの……彼、一人暮らししてて、普通の人だとおもってたから…まさかそんな金持ちだったなんて……」

「…そんなに金持ちなの??」


金持ちって、どのくらいの?




「お父さんは国会議員で、お母さんは有名な着物屋のオーナー。お爺ちゃんは、大地主だって…」




「そりゃあ、すごいね…」

「確かに金持ちだわ…」


おぼっちゃまなんて大げさだと思ってたけど…

そんなこともないよね。




「なんか、それから彼とすごく距離を感じるの…金持ちとか凡人とか…そんなの関係ないってわかってるんだけど・・なんだか…私と彼って、住む世界が違うのかなって……」