イジワル上司のヒミツ

テレビもつけていないリビングに、湊さんはサングラスを外して、ソファーにぼーっと座っていた。

私は入れたコーヒーを、そっとテーブルに置いた。




湊さん…

なんか疲れてるみたい…


仕事大変なのかな…

撮影って、きっと大変なんだよね…




コト…


湊さんが、コーヒーを1口飲む。


その久しぶりに見る横顔に、なんとも見てれてしまう…



やっぱりかっこいい…



テレビのCMや雑誌で、ここ最近何度も見ていたけど、

やっぱり生でみる湊さんのかっこよさには、見惚れてしまう。



湊さんからの連絡を待っていた時、会いたくて仕方がなくて、

何度も何度も、スマホで湊さんの情報を調べたことだろう…


何度も本屋さんに行って、湊さんが載ってる雑誌を見たんだろう…


茉莉とレンタルDVDショップへ行った時も、以前湊さんが出演していたドラマや映画のDVDを、

自然に探してしまっている自分がいた…



私の身近に存在する、芸能人である湊さんを見つけるたびに、

苦しくて辛くなったんだ…



こんな遠い存在の人に恋をして、どうするんだって…

本気でそう思った。



だから、湊さんを忘れようとしてたのに…