ガチャ…ガチャ


その時、玄関のドアが開き、大きな荷物を抱えた茉莉が帰ってきた。




「ただいまー」

「…おかえり」


私は茉莉に一瞬だけ目をやり、また携帯を眺めた。




「何どーしたの?ひどい声だして…風邪?」

「違うよ、ちょっとね…それより、帰ってくるの早いんじゃない?」


茉莉は昨日から、彼氏の家に泊まりに行っていた。

彼氏と会うと、帰宅はいつも夜の11時過ぎか、ひどいときは朝帰りの時が多いいのに…





「今日は友達に会うんだって。仕事紹介してもらうみたい」

「仕事?あんたの彼氏、仕事してるじゃん」


茉莉がバイトしてる、キャバクラのボーイでしょ?





「ある程度貯金も出来たし、昼間の仕事しようと思ってるみたい」