「あ、あの……」 私は恐る恐る声をかけてみる。 「え、あ、す、すみません!」 なつくんは顔を真っ赤にして謝り、私から手を離した。もう少し掴まれていたかったわ……。 「どうして謝るのかしら」 「いえ、あの、その、乱暴に腕を掴んでしまったので……」 なつくんはおどおどと私を見る。まぁ、私は怒ったりしないのに。 「気にしてないわ」 「でも睨みましたよね……」 「あれはいきなりのことで驚いちゃったからよ」