「今日つまらない映画見たわびかな?」 ツバサが申し訳なさそうに言う。 「そんなことないよ!映画面白かったよ!」 「え?ホント?じゃあ濡れて帰れよ!」 「え”?」 「ウソだよ。」 と、私の頭をなでる。 うぅぅぅ…遊ばれてる? 大粒の雨音が傘を通して聞こえてくる。 「濡れちまうな。」 ぎゅっと肩を抱き寄せる。 「ちょっ…!ちょっと」 「何だよ?濡れるだろ?」 そうは言っても…照れる。 「何だ?照れてるのか?」 そう言い、フッと笑うツバサ。 「からかわないでよ〜」 ───その時だった。