隣には彼がいる。 彼を感じる。 だけど、とても遠くに。 「ツバサ。遠いね。」 「まぁ、学校まで歩いて15分くらいだからな。」 「そうじゃなくて…」 「大丈夫。そのうちにつくからな。」 「うん。」 …本当にこれでいいんだろうか。 この言葉だけで安心しようとしてしまう自分が怖い。 「だから、離れるなって!」 ぐっと彼の腕に力が入る。 抱き寄せる彼。