数分後におかわりの珈琲と一緒に抹茶ロールとチョコケーキはやってきた。
「それより、話題ずれてるぞ」
「何の話してたっけ?」
「お前の浮気野郎の話だよ」
カズはさっそくきた抹茶ロールを半分にして、あたしの皿の方に半分置いた。
それに小さな声でお礼を言って抹茶ロールを1口サイズにする。
「カズ」
「なに」
「あたしは好きなの。立場が浮気相手でも、それでも良いと思える程好きなんだよね」
「…だから、馬鹿だろって言ってんだよ」
「…何でよ」
抹茶ロールを食べると今度は本命のチョコケーキに手を付ける。
「なんで浮気相手でもいいならって言うような奴をそんなに好きになるんだよ」
「んー…」
『南って、俺のこと好きだろ』
『え、なんで知ってるの?』
『普通にバレバレだから』
『嘘…』
『俺、彼女いるけどそれでもいいなら付き合ってあげてもいいけど?』
『…いいよ』
「…なんでだろうね」
残りのチョコケーキを勢い良く口に入れた。
最後は味が分からなかった。

