外に出て、花を世話するカズの背中を見つける。 そして小さな声で発した。 「比呂」 「え…?」 「比呂、今回はありがとう」 「ミナミ…今比呂って……」 比呂は驚いたのか体が固まっている。 「店長さんがきっと比呂って呼んだらカズが喜ぶからって。比呂、嬉しい?」 「ん…すげぇ、嬉しい」 確かに比呂は照れて嬉しそうな顔を手で隠している。 「じゃあ、良かった」 「朋子、ありがとな」 カズに名前を呼ばれた瞬間、胸のドキドキが止まらない。