「そんなの虚しいだけだよね」
「…やっと気づいたかのかよ」
カズは大きなため息を吐くと鉢から手を離し、ゆっくりカズに回していたあたしの腕を離した。
そして、カズは振り返って真っ直ぐあたしを見つめる。
「で、彼女の気持ちも考えたわけ?」
「ううん、それは全然。
だって、それはあたし関係ないことだから」
彼女を裏切ってたのは真央くんだもん。
あたしは悪くないもん。
「いやいや、100%関係ある話だから」
「え?関係あっても、悪いのは真央くんだもん」
「…反省してんのか反省してないのか訳分かんね。
まぁ、これからは正しい恋愛しろよ」
「正しい恋愛って何?」
「分かんねーの?」
「うん、だって恋愛に正しいも間違いもないでしょ」
カズ何言ってんの?
「お前はさっきのことで何を学んだんだよ…」
「へ…?そりゃあ、浮気相手なんて虚しいものにはならないってこと?」
「それだけかよ…」
俺、もう頭痛いわと言ってカズは頭を抱える。

