「っ………く……うう……」

仏壇の前でうずくまる

泣いてるのはもちろん嬉しいからじゃない
寂しいわけでもない

ただ

悲しかったのだ


彼が犯人だったという事実が…


「どうして……?」


彼は憎くて仕方ない人なんだよ?

だけど
思い出てくるのは

電車で助けてもらったこと
本からかばってくれたこと
私の頭をなでる手がすごく優しかったこと

そして

耳に触れる

ピアスをつける手が何か怯えるように
でも大事そうにつけてくれたこと